いまさら聞けない資産運用の話──NISAとお金の基本をやさしく解説_執筆者 川村
- waki11
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資産運用とお金の話

昨今ニュースなどで取り上げられているNISAですが、実際資産運用していますか?
日本人は貯金好きで、投資と聞くとギャンブル、危険、大きなお金が必要、というイメージが思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
また、お金の話は汚いと感じたり、デリケートであまり家族や友人同士で話しづらいワードだったりしますよね。
一昔前には老後2000万円問題や、最近では物価高などもあり、貯金だけでいいのか不安になります。
ということで、今回はざっくりとですが資産運用とお金について語ろうかなと思います。
資産運用を考えている人、興味がある人は参考にしてみてください。
💴2000万円問題とは?
以前話題になった2000万円問題、皆さん覚えていますか?
当時なかなかの衝撃が走りましたが、改めて確認してみましょう。
夫65歳以上の夫婦のみの無職世帯が、平均寿命まで生きた場合、年金のみの収入(21万円)では毎月約5.5万円の赤字(支出26万円)となり、老後30年間で約2000万円の金融資産が不足するとされました。
5.5万円×30年×12ヶ月=1980万円
これがいわゆる2000万円問題です。
(都会に住んでいる人と、地方に住んでいる人では支出が変動したり、年を取ると食費が若いころに比べ減るので、あくまで目安として思ってください。)
💴貯金だけでいいの?
貯金は増えないけど減りもしないイメージですが、最近の物価高によって貯金の実質価値が目減りしています。
現在の経済環境では、貯金=インフレ負けが濃厚です。
更に言うと、昔は物価が上がれば年金も増えていましたが、今の日本では少子高齢化によるマクロ経済スライドによって、物価が上がっても年金は上がりません。
なんだか今の日本経済では貯金だけでは不安になりますよね…
💰 東京ディズニーランドとお米の料金比較
年代 | 東京ディズニーランド 1デーパスポート(大人) | お米(10Kg) |
1983年 | 3,900円 | 3500円から4500円 |
2025年 | 9,400円から11,900円 | 6000円から9000円 |
💴新NISAとは?
新NISAとは口座の名前で、一人につき一口座作ることができます。
この口座で運用したものにおいては一定の金額までなら税金がかかりません。
例えば、仮に投資した100万円(国内株)が1億円になったとしても、9900万円の利益に対して税金がかかることはありません(通常は利益に対して20.315%税金がかかります)
新NISA以前には旧NISAがありましたが、旧NISAよりもいろいろ条件を拡張されたものが現在の新NISAになります。
新NISAには成長投資枠と積立投資枠があり、成長投資枠は毎年240万円、積み立て投資枠は毎年120万円まで、それぞれで上限併用なら年360万円投資できます。

成長投資枠
成長投資枠は個別株を買ったり、ある程度まとまったお金で買うイメージです。
配当金や株主優待券を受け取ることができます。
積み立て投資枠
積み立て投資枠は分散投資ができ、小額(100円)から購入できます。
こちらは配当金や株主優待券は受け取れませんが、分配金が受け取れます。
どちらかというと小額から始められて、分散投資ができる積み立て投資枠の方が、貯金好きの人には合った感じがしますね。
💴各証券会社の特徴
NISA口座を開設するには証券会社やネット証券がありますが、それぞれ特徴があります。
証券会社は窓口があるので対面サポートが充実していて、アドバイスのほかにその証券会社しか知らない情報を持っていたりするので、相談しながら進めたい人向けです。
ネット証券は豊富な商品と、何より手数料が安いので、自分で調べて購入し、コストを抑えたい人向けです。
💴NISAが生まれた背景
これは自分の考えですが、高齢化社会により国民の年金財源が危ういので、NISAやiDeCoなどを用意するから自分たちでやってくださいと国が遠回しに言っているように感じます。
というのも皆さんの年金は国が株などで運用していますが、2023年では40兆円以上のプラス収益(歴代一位)でした。
40兆円と聞くと、すさまじい額だと感じますが、年金の年間支給総額は60兆円越えです。
こういう事を知ると、なんとなく察しが付きますよね。
💴投資とギャンブルの違い

冒頭で投資はギャンブルのイメージがあるといいましたが、実際はどうなのでしょう?
投資の特徴
株や債券、不動産などに投入し、中長期でリターンを目指す。
(プラスサムゲーム)
経済状況や市場動向などを分析し投入する。
退職資金や子供の教育費など、将来に備えての資産運用。
例)株式投資、不動産、投資信託、定期預金
ギャンブルの特徴
短期間で高リターンを狙い、結果が運や偶然に左右されやすい。
参加者の誰かが利益を得ると、その分だけ他の誰かが損失を被る。
(ゼロサムゲーム)
運営側が利益を得るシステムになっている。
(マイナスサムゲーム)
娯楽や一攫千金を狙うことが多い。
例)パチンコ、スロット、宝くじ、競馬
📈 投資とギャンブルの特徴比較
特徴の側面 | 投資 | ギャンブル |
主な目的と期間 | 中長期でリターンを目指す。 | 短期間で高リターンを狙う。 |
リターンの性質 | プラスサムゲーム(全体として価値が増加する可能性がある)。 | ゼロサムゲーム(参加者間での利益の奪い合い)。運営側が利益を得るため、実質はマイナスサムゲーム。 |
判断の根拠 | 経済状況や市場動向などを分析し投入する。 | 結果が運や偶然に左右されやすい。 |
一般的な用途 | 退職資金や子供の教育費など、将来に備えての資産運用。 | 娯楽や一攫千金を狙う。 |
具体的な例 | 株式投資、不動産、投資信託、定期預金 | パチンコ、スロット、宝くじ、競馬 |
このように投資とギャンブルを比べてみると、違いが判りますね。
他に投機というものがありますが、これは投資とギャンブルの境目な感じで、部屋にモニターが何台もあり、チャートを見ながらひっきりなしに売り買いしているようなイメージです。
投機=機会に投じる∴引、暗号資産(仮想通貨)の短期売買
話を2000万円問題に戻しますが、65歳から貯金2000万を月10万円ずつ切り崩していくと、81歳(16年)で資金がショートしてしまいます。
65歳男性の平均余命は85歳、65歳女性の平均余命は90歳と言われているので、これに当てはめると残念ながら貯金が2000万円あっても足りません。
💴複利のパワー

複利とは運用で得た利益を元本に加えて、次の年には元本とその利益の合計に対して金利が付きます。
複利のほかに、元本のみに対して金利が付くものを単利といいます。
先程の話では貯金2000万円を10万円ずつ切り崩すケースでしたが、これを複利3%で運用しながら取り崩していくと、88歳(23年)まで延びます。
5%なら102歳(37年)まで延びます。では6%ではどのくらい伸びると思いますか?
これに至っては利息だけでまかなえてしまい、元本2000万円が減りません。
アインシュタインが「複利は人類最大の発明だ」と呼んでいたほど複利は強力な力を持っていて、雪だるま式に増えていきます。
複利によるこうした運用方法は、「金持ちはより金持ち」に、と言われる理由の一つに挙げられます。
映画マルサの女で、資産運用の本質を比喩しているシーンがありましたね。
この逆がクレジットカードのリボ払いや、少しケースが違いますが、闇金です。
貯金にも利息があり、2020年では0.01%でしたが最近では0.3%に利上げしました。
💴貯金では増やせない
長期で使う予定がないお金をずっと貯金(寝かせている)している場合、それは死に金になります。
ここで利回りについて少し切り込んで可視化していきます。
72を利息で割ると元本が約二倍になるまでの年数がわかる、72の法則というものがありますが、これを使って計算してみると、
利息3%で運用した場合は、72÷3(%)で約24年かかります。
では運用せずに貯金している場合はどうでしょう。
72÷0.3(%)で約240年です。
江戸時代から貯金し始めてようやく二倍になります。
利上げ前に関していえば、縄文時代から始めてやっと二倍になる計算です。
貯金の利息が10倍以上も上がって喜びたいところですが、小数点以下である利息ではほとんど複利の効果が期待できないことがわかります。
💴複利は長期で考える
複利の効果を説明しましたが、複利は短期間ではその効果が表れません。
利息が3%でも6%でも短期で見るとそう変わりません。
飛行機が離陸時に少しだけ進行角度を変えてもほとんどかわりませんが、長時間飛行して着陸するときには、角度を変えなかったときと比べ何百キロも離れているのと同じように、複利は長期間続けることで加速度的にその効果が表れてきます。

💴労働のみの貯金では限界がある
r>gというピケティの法則がありますが、これは資本収益率>経済成長率というもので、端的に言うと、投資で得られる収入>労働で得られる収入です。
毎月毎週6日間、何時間働いたとしても、この法則は変わりません。
労働収入は時間の限界があるのに対し、投資で得られる収入には上限がないのがその理由だからです。
日本では少子化に歯止めがかからず、経済成長率に陰りがあることで、今後更にこの法則が顕著に表れてくることが予想されます。
💴貯金も資産運用も始めるなら若いうちから
例えば65歳までに2000万円貯める場合、30歳から始めれば毎月4.8万円ずつ貯金すればいいですが、50歳から始めた場合、毎月11万円も貯めなくてはいけません。
複利を踏まえて毎月5万円積み立てながら30年貯金した場合では、
利息なしでは1800万円
3%では約2900万円
6%では約5000万円
になります。
このように、早ければ早いほど資産を効率的に増やせる可能性があります。
資産運用の基本は、「長期」、「積み立て」、「分散(時間、商品)」です。
また、貯金が比較的できる時期は、「独身の期間」、「夫婦の期間」、「子供独立後の期間」なので、この時期を活用しましょう。
💴タイミング、買値が重要
投資(特に成長株投資や暗号資産)において、リターン重視なら投資のタイミング、買値が重要になります。
既に価格が高騰(もしくは上昇中)しているような商品を買うと旨味が少なく、リターンが少ないです
イノベーター理論という図がありますが、このイノベーター、アーリーアダプターの時点で買うと多くのリターンを得ることができます。

2017年では、ある暗号資産において1000倍以上のリターンを出したものもありました。
ビットコインにおいては2010年の時に10円で1BTC購入できていたので、1000円分購入していた場合、1500000倍の15億円になっていました。(1BTC=1500万円で計算)
このように、まだ大衆に認知されていない状態の時に参入したり、安い時に小額でも買えばリターンが大きく、リスクも小さいです。
対してアーリーマジョリティの時点では、価格がすでに高騰しているので、大金を投じてもリターンが少ないです。
暗号資産ネムにおいて、初期投資と中期投資に投資した場合の比較

そして2018年に暗号資産に参入した人はレイトマジョリティの位置になります。
普段株取引をしないような一般大衆までも熱狂的に話題が広がっている、俗に言う「靴磨きの少年」状態です。
ここでは旨味は極端に少なく、リスクが非常に大きいです。
このように多くの利益を得るためには買値は非常に重要になります。
💴投資は自己責任が鉄則
よくこういうケースがありますが、それ、NGです。
① 〇〇がやっているから、○○が買っているからと同じものを買う
知人が実際に儲けているし、有名なインフルエンサーが紹介しているからという理由で買ってしまう気持ちはわかりますが、その人が始めた時期と自分が始める時期が違いますし、その人がどういったコンセプトで、どの時間軸で投資をしているかも違います。
時期が違えば買った時の価格も違ってきますし、その人は年単位で考え投資をしているかもしれません。
あなたは何日、何ヶ月、何年後で考えていますか?
② 〇〇さんにおすすめと言われたから買う
NISAの話になってしまいますが、分散投資をするはずが、○○におすすめと言われてオルカンとS&P500を買ったところ、米国比率が高くなってしまい結果的に分散できていなかったという事もあります。
また、何も考えずに始めると、直近の値幅の上げ下げや暴落で狼狽し、精神的に参ってしまい、最悪日常生活に支障がでてきてしまいます。
始める場合、自分はどのサイクルで運用するのか、どのくらいになったら売るのかなど、旅行や登山の計画を立てるように、あらかじめ事前に決めておくと狼狽せずに済みます。
③ 儲け話に惑わされてよく理解していないのに手を出す
人は儲け話を聞くと、その額だけに目がいってしまいがちです。
よくわからないのに始めてしまい、結果大損するというケースがあります。
素人同士で情報交換するのではなく、聞くなら専門の人などに相談し、自分でよく調べ考えて始めた方が、仮に悪い方に転んでも自身が納得できます。
(そもそも投資助言は法令違反のリスクを伴います)
他人の儲け話や相場予想に惑わされないよう自分自身で判断しましょう。
苦労して貯めた自分のお金を、よくわからない情報を信じて使ったりすることは、他人に自分の財布を委ねているのと同じことです。

💴最後に
少し長くなってしまいましたが、ざっくりと資産運用とお金についての話をしてみました。
投資=ギャンブルという偏見が少しかわりましたか?
貯金が好きという人でも、貯金も利息があるので実は厳密に考えると資産運用です。
先の話で貯金してもほとんどお金が増えないといいましたが、昔は利息3~6%だったので、十年ちょっとで元本が倍になる時代でした。
時代は良くも悪くも常に変化しています。
日本は諸外国と比べて金融リテラシーが低いとされていて、昨今では高校でお金の授業が義務化されてきています。
それだけお金の話は大事という事です。
自分の将来にかかわることなので情報を常にアップデートして、将来に備えていきたいですね。



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