わかりそうでわからない【ねじとボルトの違い】を解説ネジとボルトの使用用途とは?
- waki11
- 3月31日
- 読了時間: 7分

ねじとボルトは、どちらも部品を固定するために使われるものですが、その使い方や特徴に違いがあります。
簡単に言うと、ねじは主に「部品を直接固定するためのもの」で、木材や金属などに直接ねじ込んで使います。
一方で、ボルトは「ナットとセットで使うもの」で、部品同士を挟み込んでしっかり固定するのが特徴です。
この違いを知ることで、用途に合わせて適切なものを選べるようになります!
今回の記事では、ねじとボルトの違いについて解説していきます。
ネジとボルトとその他(ねじ、ボルト、ビス、ナット等)の呼び名について
ネジ、ボルト、ビス、ナットなどの呼び名には、次のようなものがあります。
・ネジ:
メートルねじ、インチねじ、管用ネジなどがあり、規格寸法によって幅広く分かれています。
ネジの「呼び」とは、ねじ部分の直径が最も大きい径のことを指します。
ネジ穴には様々な形状があり、最も主流なのがプラス穴(十字穴)です。
ネジ穴にはそれぞれ意味があり、適した使い方があります。
使用用途に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。
・ボルト:
一般的に直径8mmより大きい雄ネジで、雌ねじであるナットとセットで使用されるのが主流です。
・ビス:
一般的に直径1~8mmほどの小さな雄ねじです。先端が尖っているものと尖って いないものがあり、頭にプラスやマイナスの切り込みがあります。
・ナット:
内側にらせん状の溝が入った雌ねじで、ボルトなどと同様にめねじ径でサイズを表します。
ネジとボルトの違いについて
ねじの特徴について
“ねじ”とは、一般的に円筒形の軸にらせん状の溝(ねじ山)がある締結部品全般の総称です。
相手材に直接食い込んで固定できます。
外側に溝があるものを”雄ねじ”(おねじ)、内側に溝があるものを”雌ねじ”(めねじ)と呼びます。
ボルトの特徴について
“ボルト”とは、ナットと組み合わせて使用する締結部品のことを指します。
・ナットと一緒に使うことで、より強い締結力が得られる。
・一度締結しても容易に分解・再組立が可能。
・六角形や四角形のデザインが主流
ねじとボルトの違いについて
ねじとボルトの違いは締結方法によります。
・ナットなしで直接固定、又は雄ねじを雌ねじに固定するものを”ねじ”(総称)
・ナットと組みあわせて固定するものを”ボルト”(ねじの一種)
ねじは総称で、雄ねじ・雌ねじがありその種類にボルトやナットがあるということです。
ねじ→雄ねじ→ボルト
↓
雌ねじ
↓
ナット
ネジとボルト種類と使用用途
ねじの種類
小ねじ
ねじの頭にプラスやマイナスなどの溝があり、ドライバーで締め付けて対象物を固定するネジです。
特に決まった用途はないため様々な場所に使用されています。
座金組み込みねじ
座金をあらかじめネジに組み込んだねじです。
スタンダードな形状のなべ小ねじに座金が組み込まれており、座金をセットする手間が省けます。座金がネジから外れなくなるのも作業効率を上げることができます。
すり割り付き平小ねじ
頭部に1本の溝が加工されているネジです
マイナスドライバーで締め付けます
精密機器用ねじ
小型の精密機器や電化製品、眼鏡やカメラ等の小型機器などに適したねじです。
精密小ねじ、0番小ねじ、微細ねじ、カメラネジ、眼鏡ねじなどの呼ばれ方もします。
いたずら防止ねじ
いたずら防止ネジとは、特殊な方法でしか取り外し困難な仕組みとなっているネジです。いたずら防止ねじは、一般的に売られているプラスドライバーやマイナスドライバー、六角レンチなどでは取り外すことができず、専用工具を使用しない限り取り外すことが困難で、製品に対する盗難や分解のリスクを低減します
脱落防止ねじ
脱落防止ねじとは、ねじ部にヌスミ加工を施し、脱落を防止することができるねじです。
ねじをフレームから取りはずしてもカバーのねじ穴に引っかかり、ねじがカバーから抜け落ちない構造になっています。カバーをフレームから脱着する際に効果を発揮します。
精密ロングねじ(全ねじ)
ネジ部がネジ山に完全に覆われている頭部が無い、ねじ部分のみのねじです。
椅子や棚のスタンド部分を固定するときや、
重い物を取り付ける場合や強度が必要な場所でよく使用されます。
ボルトの種類
六角ボルト
六角ボルトは、頭の部分が六角形の形をしているボルトです。
一般的にナットと一緒に使用される事が多く、ボルトと言えばこの六角ボルトの事を指します。
六角ボルトはスパナやレンチなどで挟み、締めたり緩めたりして使用します。
六角穴付ボルト
六角穴付ボルトは、頭部に六角形の穴が開いているボルトです。
締め付ける際には、六角レンチを使用します。
小型の六角レンチで締め付けが可能なので、機械や電気製品の内部など狭い場所で使用します。
六角穴付きボタンボルト
頭部がボタンのような見た目をして丸みを帯びた半球形になっている六角穴付ボルトです。
頭部は低めに作られているので、特に目立たせたくない場所などで使用されます。
六角穴付ボタンボルト(ボタンキャップ)には2つの規格JIS規格品とSSS規格品があります。
六角穴付皿頭ボルト
皿頭ボルトは、頭の部分が皿のように平らになったタイプの六角穴付ボルトです。
丸みを帯びたボタンキャップボルトと違い、頭が平らなので打ち付けた表面に出っ張りを出したくない場合に使用します。
蝶ボルト(ウイングボルト)
蝶ボルトは、頭部に蝶のような形の取っ手がついているボルトです。
この取っ手部分を手でまわして締めることができるので、工具を使わずとも取り外しが自在にできる便利なボルトです。
アイボルト
アイボルトは、頭の部分がリング状になっているボルトです。
穴の部分に紐やワイヤーなどを通して使用します。
輸送や機械類の吊り上げの際にはよく見かける工具です。保証荷重が定められています。
U ボルト
Uボルトは、両端に雄ねじが切られているU字型のボルトです。
他のボルトの場合はボルト自体を回転させて締めるのに対して、Uボルトはナットを使用して反対側から閉じるように締めます。
Uボルトを使用する際には、緩み止め対策も必要となってきます。
主に配管を固定するとき に使用され、配管の直径によって使用するサイズが決まります。
アンカーボルト
アンカーボルトは、建造物や設備機械などをコンクリートの土台に結合させるために使用するボルトです。あらかじめ土台にアンカーボルトを埋め込んで使用します。とても頑丈なので、一度埋め込むと外れない仕組みです。
スタッドボルト(植え込みボルト)
スタッドボルトは、軸部のみで頭部形状がないのが特徴で、軸の両端もしくは全部が雄ねじになっているのが特徴です。
片側を機械や装置などに植え込んだ後に、反対側から部品をとりつけナットで締めて固定するために使用されます。使用するときまでネジの長さがわからない際に便利です。
これらの特徴から、スタッドボルトは自動車関係から機械装置など、様々な場所に用いられています。
ハイテンションボルト
ハイテンションボルトは、高い強度と強い締め付け能力のあるボルトです。
普段はあまり目にしないような、鉄骨造の建物や橋の接合部などによく利用され、建造物にとって非常に重要な箇所の接合に使われています。
ボルトとナットと平ワッシャーがセットの製品で、実はこの組み合わせでJIS(日本工業規格)により規格化されています。
【ねじとボルトの違い】まとめ
色々な名称があり、混乱している方もいるかもしれませんね。
ここで、再度原点に立ち返り、両者の主な特徴をおさらいしましょう。
ねじは「部品を直接固定するためのもの」で、木材や金属などに直接ねじ込んで使います。
ボルトは「ナットとセットで使うもの」で、部品同士を挟み込んでしっかり固定するのが特徴です。
以上が両者の簡単な違いとなります。
このように、ねじとボルトにはそれぞれ異なる役割があります。用途や目的に応じて正しく使い分けることが大切ですね!
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