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ねじ製造の基礎から未来まで|工程・技術・品質管理を解説

  • waki11
  • 10月30日
  • 読了時間: 6分
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ねじは、私たちが普段目にしない場所で製品の安全性と機能を支える、非常に重要な部品です。


しかし、その種類や製造の裏側を知っている人は少ないでしょう。

本記事では、身近なねじがどのように作られ、選ばれているのかを徹底解説します。


この記事を読むことで、あなたは次の知識を得られます。

  • ナットを使う「ボルト・小ねじ」と、直接食い込む「ビス」の明確な違い。

  • 部品の強度や環境を決める材料の選び方とその特性。

  • 精密なねじを作る冷間鍛造や切削などの製造工程の組み合わせ。

  • AIやIoTといった最新技術が導入されたねじ製造の現場と品質管理の仕組み。

最適なねじの知識は、設計や製造現場での効率化、そして製品の品質向上に直結します。


ねじの知識を深め、あなたの仕事や学びに役立てましょう!



ねじの種類と用途


ネジは、物を締め付けるために使用される部品で、その形状や材質によって様々な種類があり、用途に合わせた正しい選定が重要です。


ネジは大きく分けて、ナットと組み合わせて使用するタイプと、ネジ自体が素材に食い込んでいくタイプがあります。


ご提示いただいた「ねじ」の種類とその特徴に関する情報を、見やすく整理してご紹介します。



1. 小ねじ・ボルト


先端が尖っておらず、ナットと一緒に材料を挟んで締め付けます。異なる素材同士を固定する際に使用されます。



2. ビス(木ねじ・タッピングビスなど)


  • 木ねじ(ビス)

    • 特徴: ナットを使わずに締め付ける。木材にねじ込むのに適した先端とネジ山を持つ。


  • タッピングビス

    • 特徴: 薄鋼板、アルミ、樹脂などに使用。下穴があれば自らネジ山を切りながら入り込む。木材にも使用可。


  • 万能ビス

    • 特徴: 木材、プラスチック、金属など様々な素材に使用できる汎用性の高いビス。


  • 造作ビス

    • 特徴: 木部に使用するが、焼き入れがされており強度が高い。電動工具での打ち込みも可能で締結力が強い。


  • ドリルビス

    • 特徴: 鋼板に下穴を開け、タップ立て、締め付けが同時にできるセルフドリリングスクリュー。



3. 頭部の形状


  • なべ頭

    • 特徴: 頭部が広く平らで、鍋を逆さにしたような形状。

    • 用途: 木材に対して優れた押さえ力を提供。家具製作、木工プロジェクトなどに使用される。


  • トラス頭

    • 特徴: 頭部が広くて平らな形状(六角形または丸形)。

    • 用途: 薄い材料を固定する際に、材料に均等な圧力をかけ、強力な固定力を提供。木造建築、家具の組み立てなど。


  • 皿頭

    • 特徴: 頭部が円錐形。材料に座ぐり加工を施すことで、頭部を表面と面一(つらいち)にできる

    • 用途: 出っ張りをなくしたい場所に最適。


  • ラッパ頭

    • 特徴: 皿頭と異なり、首下が緩やかな曲面になっている。

    • 用途: 木部に対して押さえつける力が強く、電動ドライバーのトルクに耐える形状。


  • ワッシャーヘッド

    • 特徴: なべ頭にワッシャーを足したような形状で、押さえる面が広くなる。

    • 用途: 押さえる面が広くなるため安定して固定できる。



用途を知ることで、適切なねじを選びましょう!




ねじの製造工程


材料選定




工程の組み合わせ例

耐腐食性の低い材料にはメッキやアルマイトなどの表面処理を施すと耐腐食性が向上します。





製造技術と品質管理


最新の製造技術と効率化

近年はAI技術が進歩しており、製造業の現場にもAIを導入する企業が増えています。

さらにloTとAIを併用することで更なる効率化を狙うことができます。


loTとは

「Internet of Things:モノのインターネット」の略で、あらゆるモノがインターネットに繋がることを意味しています。


・loTを活用する事でできるようになること

①モノの遠隔操作を行うことができます。

②センサーを通じてリアルタイムでモノの状態を知ることができます。

③loT機器同士でデータの送受信を行い、モノ同士で最適な動作を判断できます。


・AIを導入することのメリットについて

①機械稼働の自動化

 ↳大量生産が可能となります。

②稼動機械の監視

 ↳不良品の削減につながります。

③外観検査の自動化

 ↳検査の速度や精度の上昇が期待できます。

④工場内の各エリアや作業者の動きをリアルタイムで監視

 ↳事故を未然に防ぐことができ、作業者の安全を守ることができます。


品質管理と検査基準

品質を高め、不良を減らすために検査工程は欠かせません。

多段階の検査を行い検査基準を上げることで品質の向上や不良率の低下を実現することができます。


検査の種類について

検査には様々な種類がありますが、本記事では寸法測定、トルク試験、ねじ山精度測定についてご紹介したいと思います。


①寸法測定とは

製造された部品や製品の寸法が図面で指定されている公差内に入っているのかをノギスやマイクロメータなどの測定機器を使用して測定する検査方法です。



②トルク試験とは

ねじを締め付ける際に発生する回す力(トルク)を測定する試験で、製品の安全性や品質を保証するために行われます。


さらにトルク値をデータ化することで最適なねじの種類、下穴径、トルクを選定することができます。



③ねじ山精度測定とは

ねじの内径、外径、谷径、有効径、ピッチなどを測定用三針、マイクロメータ、ゲージ、画像寸法測定器を使用して測定する検査方法です。



更なる不良率の低下を実現するためには

不良が発生する原因を調査することでも不良率を下げることができます。

不良が発生する原因として「5M+1E」という用語があります。


・5M+1Eとは

「Man:人」「Machine:機械、設備」「Method:方法」「Material:原料と材料」「Measurement:測定、検査」「Environment:環境」の頭文字をとった用語です。


・5M+1Eの視点で問題点を調査する

不良の発生原因を一から探し出すのは難しいことだと思いますが、5M+1Eを活用し1つ1つの用語の問題点を洗い出すことで比較的簡単に原因を突き止めることができます。




記事のまとめ|ねじの製造・選定・品質管理のポイント


本記事では、ねじの基礎知識から最先端の製造・品質管理まで、幅広い内容をご紹介しました。


重要なポイントを再確認しましょう。


  • ねじの種類と用途:

    • ナットと使うボルト・小ねじと、素材に直接締め付けるビスを区別する。

    • 使用箇所に応じてなべ頭、皿頭など、適切な頭部の形状を選ぶことが重要。


  • ねじの製造工程:

    • 用途や数量に応じて鍛造、切削、表面処理などの工程を組み合わせる。

    • 耐食性を高めるためにメッキやアルマイトが施される。


  • 品質管理と最新技術:

    • AIやIoTは製造の自動化や遠隔監視不良品削減に貢献している。

    • 寸法測定、トルク試験など多段階の検査で品質を保証する。

    • 不良原因の究明には「5M+1E」の視点が役立つ。


ねじの選定や製造は、単なる部品の取り付けではなく、素材や工程、そして最新技術の知識が問われる複合的な作業です。


本記事を通じて得た知識を活かし、適切なねじ選びとより良い製品づくりをめざしていきましょう!




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