top of page
株式会社ヤマト

切削加工とは?切削加工の基礎知識〜現場の最新情報まで丸っとご紹介

  • waki11
  • 2024年5月15日
  • 読了時間: 10分

更新日:4月22日



切削加工(せっさくかこう)とは、金属やプラスチックなどの材料を工具で削り取ったり・穴を開けたりする加工技術で、目的の形状や寸法に加工する技術です。


簡単に言うと、切削加工とは「切って、削って加工する」ことを指します。

この記事では、プロが切削加工とは?という概念から〜技術的切削加工についての方法・メリットデメリットまで幅広くご紹介していきますので、是非最後までご覧ください。


― もくじ ー

  1. 切削加工とは?

  2. 切削加工のメリットデメリットについて

  3. 切削加工で加工可能な金属について

  4. 切削加工をする上でのポイントを紹介

  5. 切削油や工具の選定と管理 のポイント4つ

  6. 切削加工の安全性と品質管理の重要性について

  7. 切削加工の精度

  8. 加工品の実用例

  9. 切削加工のまとめ


1.切削加工とは?

切削加工(せっさく)とは冒頭の通り、金属やプラスチックなどの材料を工具で削り取ったり・穴を開けたりする加工技術で、目的の形状や寸法に加工する技術です。


切削加工には大きく分けて2つの方法があります。

▼2種類の切削加工

1つ目|旋削(せんさく)

加工物を高速回転させて工具(切削する)に当てる加工方法


2つ目|転削(フライス加工と呼ぶ方が代表的)

加工物を固定し、工具を回転・移動して当てる加工方法



❶旋削(センサク)加工について


  • 加工物(材料やワーク)を回転させて削る

  • 主にNC旋盤を使って加工 NC旋盤についての詳細はこちら>

  • 丸棒状の材料を使用するので円筒(エントウ)形状の加工に最適

  • 機種によっては四角や六角などの形状も加工も可能


❷転削(フライス加工)加工について

  • 材料やワークを固定し工具を回転させて削る

  • 立方体などの材料や、追加工など平面の加工に最適

  • 円弧形状に加工することも可能


2.切削加工のメリットデメリットについて

なぜ、切削加工をするのでしょうか?

次にメリットデメリットを紹介していきます。

「メリット」(利点・強み)

1. 高い精度を実現しやすい

精密な寸法管理が可能で、要求水準の厳しい部品も作りやすい。


2.複雑形状にも柔軟に対応できる

工具の組み合わせや切削パスを工夫することで、入り組んだ形状の製品でも加工できる


3.幅広い材料に適用可能

金属はもちろん、樹脂などさまざまな素材に対応しやすい。


4.少量生産から大量生産まで融通が効く

試作品から本格的な量産まで、ニーズに合わせて生産数を変えられる。


5.表面状態を細やかに調整できる

切削条件や工具選定によって、仕上げ面の粗さを細かくコントロールできる。


6.最終工程が少なく、短時間で運用可能

後処理を必要としない場合も多く、仕上げ後すぐに利用できるケースが多い。


デメリット(課題・弱み)

1.素材を大きく削り落とすためロスが多い

切りくずが大量に発生する分、材料費が嵩む場合がある。


2.工程に時間がかかり、費用負担が増えやすい

加工時間が長くなりがちで、結果としてコストが高くなる傾向がある。


3.工具の摩耗・交換費用がかさむ

連続加工や硬い素材では特に、工具の消耗が早くなりコスト負担が増える。


4.加工時の熱で変形や焼けが起こるリスク

高速切削などでは発熱量が大きく、精度低下や表面品質の劣化を招きかねない。


5.バリや切り粉処理などの仕上げ作業が必要

バリが発生しやすいため、後工程での除去・清掃の手間が増える。


6.形状が複雑になるほど工具干渉のリスクが高まる

深い溝や細かな凹凸がある製品ほど、刃物が届きにくく加工が難易度を増す。


3.切削加工で加工可能な金属について

加工可能な材質は簡単に分けると下記のようなものになります。


▼加工対象材料5つ

  • ステンレス

  • アルミ

  • プラスチック


切削加工では、アルミニウム合金や炭素鋼、ステンレス鋼、銅合金、チタン合金など、さまざまな金属が加工対象となります。これらは、硬さや粘り気、耐食性、熱伝導率などの性質が異なるため、回転速度や送り速度、使用する工具の種類など、加工条件を変える必要があります。しかし、まさにこの「異なる特性」ゆえに、それぞれの金属は特定の用途で高いパフォーマンスを発揮し、切削加工の対象として選ばれているのです。


切削加工対象になるかどうかの基準として以下がポイントがございます。


▼加工材質を確認する上での3つのポイント

・硬さや粘り気

・耐食性

・熱伝導率


弊社が加工可能な材質は多彩な金属!代表的な金属5つをご紹介:弊社の取り扱い材をご覧ください。



切削加工をするときに接触面はどのくらいの温度になるの?


熱伝導率というポイントがあったのですが、切削時どのくらいの温度になるのでしょうか?

切削時に発せられるエネルギーを「切削熱(せっさくねつ)」といいます。


削速(切削速度)や対象の形状、材質にもよりますが、温度は600度〜1000度になります。

切削時、非常に高温になるため、加工時は”切削油”と呼ばれる冷却用の油をかけながら加工します。


4.切削加工をする上でのポイントを紹介

次に切削加工のポイントを紹介していきます。

前章でご紹介させていただいた通り切削加工では、以下のポイントを注意する必要があります。


▼加工材質を確認する上での3つのポイント

・硬さや粘り気

・耐食性

・熱伝導率


まずは、加工時に理想通りの形にするために機械の性質から見ていきましょう。


ポイント1|工作機械の剛性(ごうせい)について


"剛性(ごうせい)"とは、外から作用する力に対し「変形のしづらさの度合い」のことを言います。


・変形が小さい(変形しづらい)時は剛性が高い

・変形が大きい(変形しやすい)時は剛性が低い


工作機械において剛性とは、加工精度の安定性や機械の頑丈さと言った本来の剛性以外の条件も含め、安定した製品を加工することができる機械を「剛性の高い機械」と、ひとまとめに呼ぶことが多くあります。


加工する製品が重量物や大型である場合、機械が対象物を保持する力は多く必要となり、機械の剛性が十分でないと対象物の重さにより、工作機械に歪みが生じたり加工精度に影響が出ます。


剛性は機械の構造的なスペックともいえます。

加工精度は切削条件や工具、材質など、さまざまな要因が影響しますが、この条件を整えても根本的に剛性が低いと良い精度は出ません。

逆に剛性が高ければ、高い精度で安定した製品を加工することができます。



ポイント2|切削速度について


次に金属ごとに緻密に変更しなければならない、切削を行う際の回転数速度につてご紹介していきます。

金属の特性を基に切削速度を調整することにより、機械自体の寿命を伸ばすことにも繋がりますし、適正な切削方法にて加工を進めることができます。


早いメリット・デメリット

【メリット】加工精度が高い・加工時間は短い

【デメリット】刃物への負担が大きい


遅いメリットデメリット

【メリット】刃物への負担が小さい

【デメリット】加工精度が低い・作業時間が伸びる



5.切削油や工具の選定と管理 のポイント4つ


切削加工をする上では、材料と機械があれば良い訳ではありません。

切削加工における切削油や工具の選定と管理は、生産性を高め、品質の向上に大きな影響を与える重要な要素ですので4つの項目に分けてご紹介していきます。

 

ポイント1|切削油の選定 

切削油は、切削プロセス中に生じる熱や摩擦を軽減させ、切削工具や加工製品の表面の仕上がりを向上させます。

加工材料や切削条件に対応した切削油を選定する必要があります。 

 

ポイント2|切削工具の選定 

切削工具の種類や材質、刃先形状などは、加工材料や加工条件に合わせてた適切なものを選択する必要があります。 

切削速度、送り速度、深さなどの加工に合った条件で、工具や種類を選んでいきます。 


ポイント3|切削油や工具の管理 

切削油や工具の最適な管理は、加工品質を良くし、作業効率を上げる為に不可欠な条件です。 

切削油は定期的に補給をし、汚れや金属片を取り除くことで効果を維持することができます。また、適度な濃度や循環システムの管理も重要になります。 

切削工具は定期的なメンテナンスや使用時のチップの交換により刃先を鋭利に保ち、使用寿命を確保します。 


ポイント4|切削条件の最適化 

切削条件(切削速度、送り速度、切削深さ)を適切な設定にすることにより切削工具や切削油の効果を上げることができます。 

切削条件の最適化は、加工品質の向上や加工効率の向上に繋がっていきます。

 


6.切削加工の安全性と品質管理の重要性について


 

切削加工において品質管理と安全性は非常に重要です。

品質管理は、製品の品質を確保することで顧客満足度を上げる為に欠かせない条件です。

切削加工では、加工精度や寸法の正確さ、表面仕上げの品質などが重要な要素となります。品質管理は適切な検査手順、ルールの厳守や検査技術が必要です。 

 

安全性も加工するうえで非常に重要です。

作業者が安全な環境で作業できることにより安心して作業に集中することができます。

集中力が高まることでミスが減り、品質が向上します。


つまり、切削加工において、品質管理と安全性の両方が同じように重要で適切な取り組みが必要になってきます。

それにより、作業者やお客様、企業全体の利益を守ることに繋がっていきます。 

 


7. 切削加工の精度



切削加工の精度は、製品の品質や機能に直接影響を与える非常に重要な要素です。

数ミクロン(μ)外れてしまうだけで、組み立てられないなどという事になる場合もあります。


私たちが実際に加工する上で求められる単位は

μ(ミクロン)=0.001mm(ミリメートルの1000分の1)です。


普段、あまり聞きなれない単位なので下に身近な物の大きさの例を挙げてみます。

ミジンコ

1.5mm~5mm(1500μ~5000μ)

0.07mm(70μ)

スギ花粉

0.03mm(30μ)

ラップ

0.01mm(10μ)

PM2.5

0.0025mm(2.5μ)


全ての製品で数ミクロンという精度は求められませんが、多くの場合は非常に精密な精度が求められます。


また、切削加工では数μ(ミクロン)での加工精度を安定して作り続けることが難しく、多くの場合は目標寸法より少し大きく作り、後工程で研削(研磨)することで目標の寸法に仕上げます。

これによって、製品の品質や信頼性を確保することができます。



8. 加工品の実用例


自動車産業

自動車のエンジン部品や車体の取付部品の製造において、切削加工は欠かせません。

エンジンのシリンダーヘッドやブレーキディスクなどの高精度な部品は、ほとんどの場合切削加工によって製造されます。


航空宇宙産業

航空機や宇宙船の部品は、軽量化や高強度化、何より加工精度が求められるので精密な切削加工が重要です。

エンジン部品や機体構造部品などは、適した材料を使用し複雑な形状や、非常に精度の高い部品が切削加工によって製造されます。


産業機器の部品

切削加工は、ポンプやバルブ、モーターなどの産業機械の部品製造にも広く利用されます。

具体的には精密な歯車、軸受、ネジ、などが含まれます。

大きなものを動かすために欠かせない小さな部品一つ一つにも精密な切削加工が必要です。


9. 切削加工のまとめ

結論:切削加工とは、「切って、削って加工する」ことを指します。


その言葉の中には、旋削加工、フライス加工など様々な加工方法があります

非常に多くの分野の製品を生み出す重要な技術です。


それぞれの加工方法には基礎知識が何より重要で、それをもとに抑えるべきポイント、応用、効率化など様々な要素が複雑に絡み合っています。


その中で加工技術や工具は日々進歩し、非常に高精度な部品や複雑な形状を求められています。

難しい加工に対応していくことで、汎用製品の品質や生産効率が向上し、技術の進歩によりその応用範囲が拡大していくことができます。


弊社では、さらに技術を磨き、お客様の要望に応えるために日々努力しています。

精密部品の加工をお考えなら、ぜひ弊社にご相談ください!



Commenti


Contact as

お問い合わせ

ご質問・ご相談など

お気軽にお問い合わせ下さい。

TEL:

0266-58-1112

FAX:

0266-52-4314

E-mail:

bottom of page